壽の日記

というね

一人旅の思い出2017(フェリー編)

大学4年の夏休み、ひきこもるのもアレなので一人旅に行ってきた。

まず9/4の昼に仙台港からフェリーに乗る。

フェリーだけど乗り物は積まずに身一つでの旅だった。
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今回乗ったフェリーは太平洋フェリーのきそという船だった。


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この船に乗ってほぼ丸一日かけて名古屋に行く。

なぜ名古屋行きに乗るかというと最近東海地方について知ることが多かったのと、単純にフェリーに乗りたかったからだ。

 

太平洋フェリーは以前仙台-苫小牧のきたかみを利用したことがあり今回で3回目だけどきそに乗るのは初めてだった。中身はきたかみとほぼ変わらないように見えたが、きたかみにあった展望室がなかったような気がする。


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 出航時は天気も良く、多くの乗客が甲板に出て景色を楽しんでいた。

 

やっぱり船旅はいいものだなと思った。乗ってしまえばあとは時間を気にせず自由に過ごせる気楽さがあるし、海の上を移動するという非日常を楽しむことができる。

 

フェリーでの移動中はたとえ一人でも全く退屈しない。

フェリー内には景色が見える休憩スペースがたくさんあるし、いつでも甲板に出ることができる。また、レストランや売店、ゲームコーナーや劇場など設備も充実しており1日過ごすだけには十分すぎるホスピタリティだ。

 大浴場に関していえば、海が見える展望浴場だし着港の30分前までなら何度でも入り放題でジャグジーやサウナまである。(しかし水風呂はないのでととのわない)

 

今回僕が宿泊した部屋は2等和室という雑魚寝部屋で一番安い部屋だった。まあ野郎が寝るだけならこれで十分だろうという感じだが神経質な人は多分無理なタイプの部屋だと思う。

 

フェリーの中というのは実はとてもカオスな空間でとにかくいろんな人が乗っている。今回は大浴場でめちゃくちゃいかつい和彫りの刺青を入れた方を見かけてドキッとした。基本的に公衆浴場は刺青NGだから初めてあそこまで気合の入った背中を見ると動揺してしまう。

 また、前回きたかみに乗ったとき2等和室が大量の自衛官とプロレスラーで埋め尽くされ、この上ないむさ苦しい空間が出来上がったこともある。この時はたまらず部屋を出て休憩スペースに逃げ込んだのだが、中央ロビーでレスラーたちが大宴会を初めてしまって恐くて戻れなくなった思い出がある。フェリーは他の交通機関に比べてカオスとの出会いが多いのも楽しみの一つかもしれない。

 

それと今回印象的だったのが生で福島第一原発を見たことだ。フェリーは太平洋沿岸を進んで行くので肉眼で見える距離にそれはあった。中学生の頃原発が爆発した報道を目にしたときこれまで味わったことのない絶望感を感じた記憶がある。それなのに現在までなんとなく日常っぽいものを送ることが出来ていることが時々信じられなくなる。そんな思いが実際に原発の存在を確認することでより一層深まった。

 

夜、レストランではバイキングディナーをやっていたが食べ放題で元がとれるほどお腹が空いていなかったので山菜そばを食べた。

風呂に入り休憩スペースでだらだらと過ごす。夜の甲板に出てみようかと思うが風呂入ったあとに潮風を浴びるのはやっぱり嫌だなと思いやめる。そして雑魚寝部屋で薄いマットレスに横たわり知らない男たちの気配を気にしながら眠りにつく。

 

朝、誰よりも早く雑魚寝部屋を出てレストランで朝食バイキングを食べる。さほど食欲はなかったが長く持たせるために無理やり栄養を取り込む。着港するまでコンセントのある休憩スペースでぼーっとしてたら、なんでんかんでんの社長みたいな顔のおじさんに声をかけられた。軽く雑談したけど社長の声が小さくて聞き取れなかったのでほぼ適当に相づちを打っていた。そうしている間にフェリーは名古屋港に到着していた。

 

一人旅の思い出2017(初めての名古屋編)に続く